弔辞
おばあちゃんにお別れの挨拶をさせていただきます。
おばあちゃんとの想い出は僕の記憶が始まった時からあるのですが、僕にとってのおばあちゃんは誰よりも優しく暖かくいつも笑顔の絶えない方でした。ですから大口のおばあちゃんの家に遊びに行く時は、他のいとこたちに会えること以上におばあちゃんに会えることが嬉しく心が躍ったものでした。おばあちゃんの指輪を綺麗だね、と言うとおばあちゃんは「この指輪は外れなくなってしまったけど、拓也が結婚する時には指を切り取ってでもあげるからね」と言われて、幼少の僕は本当にそうしてしまうのではないかと、結婚することになったら大変なことになるのではないかと、本気で心配してしまいました。浪人生の時にはたくさん心配をかけてしまって、大学が決まった時は本当に喜んでくれて、医師になった姿を見せてあげられないのが何よりも残念です。これからはどうか天国から僕たちの成長を見ていてください。
おばあちゃんが日本に渡りまだ混沌としていた社会の中でどのような人生を歩んできたかは僕たちには知る由もありませんが、僕が見てきたおばあちゃんの姿は、神を敬い、多くの人から尊敬される愛情と慈しみ溢れる姿でした。今僕らが堂々と生きているのはそんなおばあちゃんの姿があったからに間違いありません。おばあちゃん今まで本当にありがとう、これからも僕たちを見守っていてください。


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